old reliable tea

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ストレートティーについて考えるブログ

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結局、お茶に適した水は軟水なのか硬水なのか?

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沸騰した熱湯のデータではあるんですが、紅茶や煎茶に適しているであろう水のデータをご紹介します。

 

ベストないれ方かどうかは断定できかねますが、みなさんがお茶をいれる際の選択肢は実は結構あるんだよという指標になればと思います。

 

紅茶に合う水は(実験上は)軟水

一応紅茶メインのブログなので紅茶の話をさせてください(緑茶の話はもう少し後に)。

 

結論から言うと、硬度が低い方が味と香りがよくでたそう。

 

以下研究者のコメントですが

(紅茶は)硬度が高くなるにつれて水色に黒みがでて香味も良くない。硬度が高いほど水色が濃くでる傾向にある。味と香りは硬度の低い方が良いという結果がでた。

今まで見てきた茶種に共通して言えることは硬度の高すぎる水(約320ppm)はお茶に適していないという結論であるが、抹茶に関する限りこれはあてはまらない。硬度が高いと水色が白く濁る傾向にあるが、抹茶の場合、液中に茶粉末があるので濁りは気にならない。むしろ白みが水色を鮮やかにしているのかもしれない。味に関してもまろやかさが出て良い方に作用した。

煎茶、玉露、紅茶、抹茶ともに、硬度が高くなると苦渋味と香りが同時に低下するが、硬度10ppm以上では水自体に異味を感じさせた。

煎茶、紅茶のようにお茶の爽快性を楽しむ時には硬度の低い水で、玉露、抹茶のように旨味を楽しむ時には、苦渋味を減らすために、水の異味を感じない範囲で硬度のやや高い水でいれると美味しくいれることができる。

 

爽快性?が紅茶にあるかは分かりませんが…

 

とりあえず、実験をした際の淹れ方は「紅茶3gを100℃の湯200mlで2分抽出した」とのことで、その温度では軟水の方が評価は高いんですね。

 

ただ、ここで使われている茶葉が何かは不明な上に、マルコポーロとかインペリアルダージリンF.O.Pみたいな上級に当たる物ではないはずなので、一概に紅茶の淹れ方としていいかは微妙かと。

 

「紅茶はサッと淹れる!水も自宅の水道水以外使わないぜ!」という人は参考にしていただければ。

 

ただ、苦渋味であるタンニンやカフェインは低温・水出しでは抽出されにくくなるのに対し、アミノ酸やテアニンは低温でも十分に抽出される、という特性を考えれば、一番やはり水出しかな?と。

 

美味しい水はとりあえず硬度0付近

蒸留水等はあんまり美味しくないことは皆さんご存知だと思うんですが、水を美味しくする要素は8つほどあるようです。

 

  • 1.蒸発残留物。つまりミネラル。
  • 3.遊離炭酸。天然の炭酸で、少量だと清涼感があるが多過ぎると酸味を感じる。喉も刺激される。
  • 4.陰イオン類。水の場合塩化ナトリウムを指すことが多い。それ以外のイオンはほとんど味に影響しない。あまり研究されていないらしい。
  • 5.過マンガン酸消費量(COD表記)。水の汚れの指標。高いとプランクトンがたくさん増えるため腐敗臭やかび臭さがあり、また渋みを感じさせる有機物が含まれる場合があるので、COD値は3ppm以下がよいとのこと。
  • 6.溶存酸素。水に溶けている酸素のことで、多いほどうまい。水温に左右され、10℃の水には20ppm含まれるが60℃の水には5ppmしか含まれていない。冷たい水がうまいのは口当たり+これのおかげ、とのこと。
  • 7.PH。水素イオン濃度の対数。水道水のPHは5.6〜8.6の間だそう。7〜8が美味しいとのこと。炭酸水は6くらい。
  • 8.遊離塩素。水道水の消毒のために使われている。できるだけ少ない方が美味しい。

 

とのことです。

 

まあ、我々素人が気にできる要素は硬度と塩素、酸素濃度くらいですかね。

 

ちなみに硬度が上がると苦渋味が減少した(カテキン含有量は同じだけど、苦渋味の少ない塩に変化している可能性があるらしい)そうで、渋くないお茶が飲みたいならある程度硬度があった方がいいというのも間違いではないようです。

 

研究者によると硬度25ppm〜120ppm(高くても150ppm)、PHは7〜8の間がバランスが良く、煎茶はこのくらいがいいとのことですが、点数的に見ると硬度0ppmが10点(おそらく満点)で硬度25ppm以上が5点とか4点で、いいとは言うものの案外点数が低いのが謎。

 

5点でも十分うまくて、10点だと最高!というわけでもなさそうですし…。

 

ちなみにその他のお茶の美味しい条件を紹介すると

 

  • 煎茶は硬度0ppmの水80℃200mlに茶葉3g1分がベスト(カルシウム添加水9.5点、マグネシウム添加水10点)。硬度が25ppmを超えると5点を下回り、200ppmになるとカルシウム添加水は3点、マグネシウム添加水は1点だった。

 

  • 玉露は硬度0〜5ppmの水70℃200mlに茶葉3g2分がベスト(カルシウム添加水は硬度0〜2.5ppmで9.5点、マグネシウム添加水は硬度5ppmで10点、10ppmで9点)。玉露は硬度50ppmを超えると5点を下回り、硬度200ppmになるとカルシウム添加水は2点、マグネシウム添加水は1点だった。

 

  • 抹茶は硬度5ppmの水100℃100mlに茶葉1.5g2分がベスト(カルシウム添加水は硬度5ppmで10点、硬度2.5ppmで9点、マグネシウム添加水は硬度5ppmで10点、硬度10ppmで9点)。抹茶も硬度50ppmを超えると4点を下回り、硬度200ppmになるとカルシウム添加水は1点、マグネシウム添加水は3点だった。

 

とりあえず上記の赤文字の条件でいれるのが一番うまいとのことで、硬度もアレコレと書いてますがどれもベストな硬度はほぼ0と言っていいんで水道水でよさげ。

 

ちなみに平成12年当時の京都市の水道水の硬度は25ppmだったそうです。

 

硬度0の水が必要な方はぜひこちらの水をどうぞ。

 

 

 

まとめ

  • 紅茶は100℃の熱湯では硬水よりも軟水の方がおいしいっぽい
  • 実験上は「煎茶、紅茶は硬度の低い水」で、「玉露、抹茶は苦渋味を減らすために異味を感じない範囲で硬度のやや高い水」で淹れるのがよい。(たいていのお茶は硬度25〜150ppm、PH7〜8の間の水がよいとのこと)
  • 基本的に硬度0付近の水があればどの茶もよく入るが、抹茶は硬度が高い方がはっきり美味しいらしい
  • カルシウム添加水は評価が悪くなる傾向があったため、カルシウム少なめ、マグネシウムがほどよい水がいいかも?
  • お茶をいれるのに手近な硬水としては「硬度304ppm、カルシウム8mg、カルシウム2.6mg、PH7.2のエビアン」か「硬度315ppm、カルシウム9.1mg、マグネシウム1.99mg、PH7.3のヴィッテルがいいかも?

 

ということでした。

 

今回紹介した紅茶の値は100℃の湯200mlに茶葉3g2分の数字なので、個人的にはあまりお世話になりたくない条件ですねー。

 

が、その条件でいれなければならないとか、紅茶は硬水と軟水どちらがいいか?の一般論的な見解としては軟水になりましょうか。

 

ちなみに数値上はどの硬度が美味しいとは書いてますが、香りの好みや糖類の量なんかもありますので、あくまで参考程度にどうぞ。

 

私はエビアン:水道水=3:7のやや硬度高めが好きです。