硬度が違う水によって熱湯・水出しの紅茶の味はどのくらい変わるのか?について
今回登場するお茶
・フォション モーニング
・フォション アップル
水によって紅茶の味は変わりますが、実際のところ、どのくらいのミネラルや硬度が最適なのよ?
ずっと気になっていた、水によって紅茶の味は変わるのか?という疑問を(手に入る範囲で)検証してみました。
使った水は左から
です。
エビアンはいつも紹介しているので、今回はそれ以外の彼らがどんな働きを見せてくれるのか、を検証することに。
検証方法としては
- 熱湯:フォションのモーニングを使用。冷蔵庫に入れておいたミネラルウォーター3、沸騰させた水道水7の割合で、茶葉メジャー3杯(約大さじ3)と水の合計が800mlになるようにした。抽出時間は6分
- 水出し:フォションのアップルを使用。ミネラルウォーター、水道水それぞれ1:1の割合で、茶葉メジャー3杯(約大さじ3)と水の合計が500mlになるようにして冷蔵庫へ。抽出時間は36時間
と、いつも通りのやり方ですね。
この2つがおいしく入れば文句はないでしょう。
それでは簡単に水の紹介をしておくと
1.「サンペレグリノ」
先に書いておくと、よく炭酸は香りを引き立てる!みたいな話があるので「もしかしたら…」と思ってやってみたんですが、やっぱりダメでした。
微妙に残った炭酸が変な感じで、もはや茶の味が抽出されているかどうかさえ分かりませんでした。
熱湯が絶望的だったので水出しにはしていません(追記:その後水出しにしてみましたが、ほとんど紅茶の味が分かりませんでした。合掌)。
スパークリングワインやビールのように、すでにイケてる香りや味が着いているものに炭酸があるのはおいしくなるようですが、抽出には使えないようですね。
ただ、飲み物としては今回用意した中では(炭酸水とミネラルウォーターを比べるのは違うかもしれませんが)一番おいしかったので、普通に飲むならばなかなかオススメです。
2.「ハロゲート」
なんでもアガサ・クリスティが愛した水だそうで、「since1571、英国の伝統と信頼のブランド」とあります。
ラベルにも「リサイクルできるよ!」と書いてあり、イギリスは分別やゴミ捨ての意識が高い国なんでしょうかね。
3.「エビアン」
- カルシウム8mg
- マグネシウム2.6mg
- カルシウムとマグネシウムの割合は約3:1、ほか表記してあるものはナトリウム0.7mg
- ph7.2、硬度304。
- 採水地:フランス フレンチアルプス(エビアン・レ・バン)
お馴染み、紅茶の友ですね。
基本的に当ブログではエビアンで茶をいれる話ばかりをしています。
余談ですが、いつも行くスーパーでエビアンの棚が空の時があるんですが、買った人はやっぱりそのまま飲んでいるんですかね?
残り2本の日とかあるので、意外と売れているみたいです。
もしかしたら、商品入れ替えをしていた時にたまたま自分が行っただけかもしれませんが。
4.「ロスバッハー ナチュラル」
- カルシウム15.8mg
- マグネシウム7.32mg
- カルシウムとマグネシウムの割合は2:1、ほか表記のあるものはカリウム0.29mg、ナトリウム6.49mg
- pH7.3、硬度695
- 採水地:ドイツ ロスバッハ
飲むのに理想的な組み合わせなのか、「Calcium Magnesium 2:1 IDEAL」とあります。
あっ硬水だ、という感じの味です。
検証の際、硬度が高いので水道水で薄めて(数値上は)ソラン・デ・カブラスと同じくらいにして使いました。
5.「ゴッチアブルー・フラサッシ ナチュラル」
ふつうの水。
同じくらいの硬度の他の水より飲みやすい感じ。
6.「ソラン・デ・カブラス」
初めて飲んだ際、中学生だったかと思いますが、腹を下し、2日間学校を休むことになった水です。
実験中もエビアン(ほぼ毎日飲んでる)やロスバッハーは何ともなかったのに、ソラン・デ・カブラスはお腹がゆるくなりました。
クールマイヨールとかゲロルシュタイナーですら何も起こらなかったんですけどね。
単に硬度やミネラルの量だけではない何かがそうさせるんでしょうか(気持ちの問題とか?)。
お気をつけください。
7.「ボルヴィック」
- カルシウム1.15mg
- マグネシウム0.80mg
- カルシウムとマグネシウムの割合は約1(1.4):1、ほか表記のあるものはカリウム0.62mg、ナトリウム1.16mg
- pH7.0、硬度60
- 採水地:フランス ボルヴィック
こちらもふつうの水。
ちなみにボルヴィっクは水道水では薄めず、あらかじめポットに3注ぎ、そこにやかんで沸騰させたボルヴィっク7を注いで実験しました。
水出しも同様。
結果:優勝したのはみなさんお馴染のアイツ!
結論としては、やっぱりエビアン最強!他はやらなくてもまったく問題ナシ!でした。
どの水でも味が違い、1つとして同じ紅茶にはならなかったんですが、個人的にはエビアン以外の水は特筆するほどの味ではありませんでした。
強いて何がアリか?と言うなら、熱湯グループは「ソラン・デ・カブラス」、水出しグループは「ゴッチアブルー」でしょうか。
ソラン・デ・カブラスの熱湯は
- 薄いけどいろんな味がする、「お出汁」のような感じ
- もし作る必要があるならば、「茶葉をもうちょっと増やす」か「時間を伸ばす」ともっとイケる紅茶が作れるかも
- つまり、エビアンと近い味を作るのにエビアンより多くの茶葉が必要
一方水出しは
うーん、36時間でもかなり薄かったので、ちょっと驚きでした。
アップルは茶葉が細かいので沈みやすいのも原因かもしれません。
まあ、エビアンもそれは同じですが。
次のゴッチアブルーの熱湯は
- 普通の紅茶から渋みだけを抜いた感じ
「普通の紅茶から」であって、モーニングからではないことに注意。
モーニングの茶葉を使っていれた茶かどうかを判別するのはかなり難しいので、やる意味はほとんどないかと。
水出しは
- 茶葉をとり出した直後はやや薄いものの、液体を甘く感じるくらい香りと茶の味が調和している
- が、半日程度経つとほぼ無味に
という感じでした。
いやーこれにも驚きましたね。
いろんな紅茶を飲んだ後に飲み直しても、やっぱりゴッチアブルーがうまかったんですが、約12時間後に飲んだら無味といえるくらいほんのり茶の味がするのみだったんですな。
一方で硬水の方が茶の味は出ているのか、ソラン・デ・カブラスとロスバッハーはそんなに味の変化はありませんでした。
まぁ、結局薄かったんでやる必要性はない感じがしますが。
まとめ
- 紅茶をいれるならやっぱりエビアン
- 熱湯:どうしてもエビアンが手に入らないならばソラン・デ・カブラスが使えるかも
- 水出し:ゴッチアブルーは、茶葉を揚げて数時間以内に飲みきるならば悪くないかも。水道水よりはおいしかった(冷たいんで注意)
という感じでしょうか。
結局エビアンが熱湯、水出し共に使えて良さそうなので、これまで通りでよいかと。
それに、輸入水は日本で買うと結構するので(ハロゲートは700ml500円くらい)もしかすると水道水で薄めなければいい味になるのかもしれませんが、1.5L180円のエビアンのほうが優しいですよね。
ゴッチアブルーは1L230円でお手頃だったんでいろんな茶葉でもやってみようかなーという感じ。
参考までに。
後日談はこちらをどうぞ。