old reliable tea

old reliable tea

ストレートティーについて考えるブログ

20180421162403

ティーバッグとリーフって値段以外に何か差があるの?問題

f:id:ironsides:20210930121240j:plain


今回はちょっとティーバッグやCTCのお話を。

 

というのも、色んな紅茶を見ていますと、「やや割高なティーバッグ」の横に「ティーバッグよりもちょっとお手頃なルースリーフ」みたいになっています(なっているように見えます)。

 

まあ、私も紅茶業界の人間ではないので詳しいことは分からず、単に「ティーバッグの方が手間かかってるからかなー」と思ってたので、軽く調べてみました。

 

すると、ティーバッグが開発された当初の話が書かれた本が何冊か見つかりました。

 

値段以外の「細かいから味が出やすい」みたいなティーバッグとルースリーフの違いはあるんでしょうか。

 

 

 

ティーバッグやCTCの利点は「いつも同じ味になる」ことらしい

まずはこれらしいです。

 

理由としては、「CTCやティーバッグは加工の段階で砕かれていて、エキスを保持できないから」だそう。

 

例えるなら、方法は違いますけど、野菜を冷凍すると細胞壁が破壊されて水分がたくさん出てきたり、シナシナになったりするのと似たようなものですな。

 

葉を砕いた際のエキスが染み出してそれを乾燥させるため、お湯に入れるとすぐに溶けるのだそう。

 

だからティーバッグは色がすぐ出るんですね。

 

50年くらい前にCTCやティーバッグが開発重宝されたそうですが、それが流行った理由として「どう作っても、誰が作っても、いつ作っても同じ味になるから」というのが挙げられていました。

 

「店で飲んだ味を家でも飲みたいんだけど?」みたいな感じですかね。

 

もしくは「マックのポテトを自宅で!」みたいな?

 

リーフみたいに温度とか容器の大きさで味が大きく変わるのは面白い点ではありますが、人によってはそうでもないこともあるんですね。

 

また、ティーバッグにはルースリーフにない難点もあって、砕いた際に全ての味が出てしまうため細かい味の調整が難しいそう。

 

より濃く(苦く)出るため同じ味になりますが、これは裏を返せば渋みを出さずにおいしいところだけを味わうような、絶妙ないれ方をするのは難しい…とも言えます。

 

なんだか、干しシイタケをさっさと戻すには刻んでから水に浸すべし!というのを思い出しますね。

 

シイタケの全てを出し切ればうまいが、ティーバッグの全てを出し切ると苦い…。

 

それはいいんですが、この味が出過ぎる問題を解決するのが「ルースリーフ」だそう。

 

まあ、問題というか、その辺の需要というか。

 

ルースリーフの利点は「ある程度味の調整が可能」であること

ルースリーフは葉が大きい分渋み等が出にくいので、いれ方や温度によって味の変化を付けることが可能であります。

 

まあ、質とか品種にもよると思いますが、非常に乱暴に言えば「同じ商品のルースリーフとティーバッグがあったとしたら、後者の方が苦い」という感じでしょうか。

 

もっと言うなら、

 

 

とも言えますか。

 

当然、味が出やすい=ミルクティーにしても存在感があるとも言えるわけですが、うまみよりも苦みの方が強さは断然上のようですし…。

 

この点はかつて茶業研究報告で「うまみが濃いよりも苦くない方が嗜好性が高い(意訳)」とあった通り。

 

しかし、昔から「砂糖やミルクを丁度よくするための渋みさえあれば、紅茶の味なんてどうでもいい」という人が一定数いたっぽいので、それはそれでいいかもしれませんね…。

 

それを裏付けるエピソードとして、ミルクティーが主流である英国でティーバッグが流行るまでにそこそこ時間がかかったそうですが、その理由は

 

  • ティーバッグがおいしくなかったから」ではなく「昔の英国人が世界でも屈指の保守的な人間だったから」

 

だそう。

 

「これは全く新しい第3のジャンルではなく、今までみなさんが飲んでいたものと同じ、通好みの最高級紅茶です!」みたいに書いたら飛ぶように売れたそうです。

 

つまり「ティーバッグは苦みが出やすく、紅茶に慣れ親しんだ英国人の繊細な舌を唸らせることができなかった」というわけではなく「馴れ親しんだ商品以外買おうとしなかっただけ」とも取れるような記述が。

 

また、同時期には「加工した際に捨てる細かい茶葉や商品にならないクズ茶葉を袋に入れて売ったところ、たくさん売れた」みたいな記述もあったそう。

 

うーん。

 

ティーバッグは私もちょくちょく利用するのでまずい!とまでは言えませんが、ちょっと味のグレードは落ちるような気はしていましたので、分からなくもないような…。

 

フレーバーティーティーバッグだと若干味が薄いような気がしていましたが、リーフよりも渋みが出ているからなんでしょうか…。

 

単純な味の濃さを求めるならティーバッグやCTCが優勢か?

ということで、本当に自身の経験と本の記述のみの考察になりますが

 

  • 単純な味の濃さ(茶葉の味や苦みを含めた濃さ)が必要なミルクティーにはティーバッグ。そしてCTCはティーバッグよりも素早く味が出る
  • 茶の持つ香りや不思議な味わいを楽しみたければルースリーフ

 

と言えるかもしれません。

 

私はアッサムのレーズンっぽい香りとかケニアのカカオっぽい感じが好きなのでこれからもルースリーフを買うことになりそうです。

 

が、逆に言えば、

 

  • ミルクティーや苦みの強い濃い紅茶にしたい場合は、値段が安い以外にはルースリーフを選ぶ利点はあまりないっぽい…

 

とも言えそうです。

 

CTCはルースリーフ同様捨てるのに茶漉しを使いますが、ティーバッグは処理も楽ですし測る手間も不要です。

 

まあ、ゴミは増えるので地球環境には優しくなさそうですが…。

 

という感じでしょうか。

 

ちなみに紅茶の品種の1つである「アッサム」の場合、質のよい物はルースリーフに回されるそうです。

 

自身の経験からもそうですが、苦みを出すとせっかくのルースリーフのうまみが分からなくなってしまうので、ティーバッグと同じような味に高い金を払っているような状態に。

 

そのため、まだまだ調査は必要ですが、

 

  • ストレート以外で飲むならば、アッサムは他の紅茶以上にティーバッグやCTCを買うべき!

 

と言えそうです。

 

まとめ

 

  • ミルクティーを飲むならルースリーフを選ぶ利点は「ちょっと安いこと」以外にあまりない…かも?
  • ルースリーフの方が基本的に質がよかったり苦みが出にくかったりするみたい。そのためストレートティー向け
  • ストレートティーにしないならばルースリーフを買う必要はないかも?特に顕著なのはアッサム

 

といった感じでした。

 

これからも調査を続けます…。

 

今回の参考文献はこちら。

 

 

 

 

 

ちなみに、紅茶の帝国は図書館で借りることをおすすめします…。

 

4700円なんで…。