old reliable tea

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ストレートティーについて考えるブログ

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紅茶がおいしくなかった時に試すこと

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紅茶がおいしくない原因は「茶葉」か?それとも「いれ方」か?

みなさんはあんまりおいしくない紅茶に出会うことはあるはずですが、それは茶葉のせいなのか?いれ方のせいなのか?どっちなんだろう、と思ったことはないでしょうか。

 

まあ、安い紅茶ならまだしも、100g2000円とかの紅茶だと「ひょっとしたら別のやり方があるのでは…?」と思ったりしませんか?

 

今回は、そのおいしくない原因が

 

  • 果たして紅茶のうまさを引き出せていないのか?
  • それともどう頑張ってもおいしくない紅茶なのか?

 

をある程度の確率で判断する方法を。

 

全ての紅茶を飲んだことがあるわけではないので「ある程度」となっていますが、だいたい店頭にある紅茶や有名どころはこの方法でうまく作れるはずであります。

 

ところで、なぜ、おいしくない紅茶かどうかが分かるのか?と言われれば、今回の方法は、渋みを抑えつつ紅茶の持つアミノ酸をはじめとしたうまみ成分を強く感じられるいれ方なので、「合わない=その紅茶の成分自体があまり好きではない」と分かるからです。

 

つまり、これで

 

  • そこそこイケる!と思えればいれ方が悪いだけで実はおいしかった
  • 「まずくはないが、あんまり…」というのであればそこまで止まりというか、それ以上の改善が見込めない

 

というのが分かるわけですね。

 

普通にいれた紅茶は渋いか薄いかで、本来の茶の味を判断するのがかなり難しいので、「こんな味の紅茶なんかどんないれ方をしても無駄だ」「自分に紅茶は合わないんだ」と思わずにお付き合いいただければ。

 

ただ、結論からいいますと、買う前や飲む前からその紅茶がおいしくないか?を判断するのはほぼ不可能です。

 

私も「ティーバッグは基本的においしくない。リーフこそが最高」と思っていた時期がありましたが、普通のいれ方をすると微妙なだけで、ちゃんといれれば思ったより悪くない茶が結構あることに気付きました。

 

さすがに300円で100包入りとかはダメじゃない?という感じはしますが…。

 

なんですが、幸運なことに「とてもじゃないが飲めたもんじゃない!」という紅茶は思ったより少ないことも分かりましたのでご安心ください。

 

「紅茶の正しいいれ方」=ほんとに正しい?

で、この方法に専門家や具体的数字等の根拠とかはそんなになく、ほとんど私見なんですけど、強引に根拠を付けるとすれば「煎茶と抹茶のおいしいいれ方のいいとこ取りをしたから」といいますか。

 

つまり、既においしいと確立されているいれ方(お茶をおいしくするポイント)のいいとこ取りをしたから、「紅茶も同じお茶なんだし、ある程度通用するやり方でありましょう」と。

 

気候や環境の違いはあれどどれも元は一緒ですからね、カメリア・シネンシスさん。

 

ここで、「いやいや、紅茶も確立されているいれ方があるでしょ?」と思うかもしれませんが、アレはおいしく飲むいれ方ではないそうです。

 

なぜなら、磯淵猛さん(午後の紅茶等を監修されている方)の本に書いてあったんですが、普通のいれ方「150〜180mlに茶葉3g」はテイスティングをする際の濃さだからだそうで、ゆっくり味わうなら(つまり、普通に我々が飲むなら)250mlくらいの湯量がよいそう。

 

 

 

簡単に言えば、テイスティングは1日に何百杯も鑑定するので、液を口に入れてすぐに吐き出すという一連の作業を効率的に行うために濃く作っている、ということですね。

 

つまり、おいしい飲み方ではなく、茶の味ブレンドがいつも通りか?を鑑定するための飲み方なんだ、と。

 

間違い探しみたいですね。

 

まあ、「ストレートの段階でちょうどいい=ミルクや砂糖をいれると薄い」とも言えるので、この濃さが疑われることなく、普通のいれ方として定番になったのかもしれません。

 

ただ、250mlに薄めてこの問題が解決するなら紅茶はみなに好かれているはずなので、それだけでは足りないと思いますけどね。

 

話を戻しますと、参考にした煎茶と抹茶のおいしいいれ方というのは

 

  • 煎茶:およそ70℃程度まで冷ましたお湯でいれる
  • 抹茶:ミネラルの入ったお湯、水を使う

 

であります。

 

煎茶は砂糖やミルクが入っていなくてもここまで存続してきたわけなので説明不要かと思いますが、抹茶が湧水や井戸水を使うとよいとされる理由は、ミネラルが抹茶をまろやかで深い味わいにしてくれるからだそうです。

 

なんでも硬度120ppmくらいがかなり甘く苦みのちょうどいい、うまい抹茶になったんだとか。

 

このへんはこちらをどうぞ。

 

 

ということで、

 

  • 70℃前後で、ミネラルの入った水を使って茶をいれればよい

 

という結論に至りました。

 

まあ、香りや甘みが特徴の煎茶が70℃前後でいれておいしいなら、香りが重要だと言われている紅茶でも70℃がいいんじゃないの?というか。

 

それでは本題に入りましょう。

 

ダージリン以外の紅茶はエビアンと沸騰させた軟水=3:7でOK

です。

 

とりあえず、ダージリン以外の紅茶はエビアン:軟水か水道水=3:7で時間は5〜7分の間でいれてもらえれば大丈夫です。

 

これはトワイニングやリプトンなどの安価な紅茶から、マリアージュフレールフォションなどの高級な紅茶まで広く網羅できております。

 

ちなみに軟水か水道水と書いていますが、それぞれお住まいの地域によって水質は違うと思うので、まずはアルカリイオンの水とか天然水等を使っていただいて「これがベースなんだ」と感じていただければ。

 

 

 

硬度60ppmくらいまでなら大丈夫でしょう。

 

抹茶の原料である緑茶よりも紅茶の方が苦み成分が1.5〜2倍多く含まれているそうなので、特に効果は高いのではないかと思います。

 

また、この3:7法はフレーバーティーでも有効な(むしろフレーバーティーの方がメリットが大きい)方法でもあります。

 

なぜなら、後述の水出し紅茶でもそうですが、香りがよい茶葉・フレーバーティーであればあるほど香りがしっかり残る、感じられるからです。

 

理由は分かりません。

 

ただ、「水道水を70℃にして抽出」しても「エビアンだけで抽出」してもダメで、両方が揃って初めておいしい紅茶が作れるのであります。

 

余したリーフがある方はやってみて!

 

ダージリンの場合は熱湯・水出し共に軟水100%でOK

ダージリンの場合はなぜかエビアンをいれてもあまり味に変化がないというか、長く浸けても薄いので、軟水のみでOKです。

 

ただ、ダージリンは(値が上がれば上がるほど)熱湯が向いてないような気がするので、もしあの牧草のような香りが好みならば「軟水100%の水出し紅茶」がおすすめです。

 

水出し紅茶はダージリン以外でも非常に有効ないれ方でして、苦み成分をなるべく出さずに茶のうまみを引き出せる素晴らしいいれ方です。

 

いれ方はダージリンのみ軟水100%、他の紅茶はフレーバーティーかどうかに関わらずエビアン:軟水=1:1でOKです。

 

茶葉の量は基本的に3g、水の量は缶や箱を参考にしていただければ。

 

水出し紅茶に関してはこちらをどうぞ。

 

 

フレーバーティーのいれ方は「香りが好きか・特定できるかどうか」で変えよう

着香されていない普通の紅茶は上記で十分ですが、フレーバーティーはひとつだけ注意点があります。

 

それは、

 

  • 香りが特定できる紅茶はエビアン:軟水=1:1の水出しいれる
  • 香りが特定できない紅茶はエビアン:軟水=3:7の熱湯でいれる

 

ということです。

 

この「香りが特定できる」というのはどういうことかといいますと、「梅とマンゴーを合わせた感じだな」とか「オレンジだな」とか、もっと極端なことを言えば「みなさん自身が好きかどうか」ですかね。

 

つまり、「自分の好きな香りであれば、香りがそのまま茶液に移る水出し紅茶にしよう」ということであります。

 

なぜなら、熱湯のようにある程度の温度があると別の味(大抵は茶の味)が強くなったり、香りが変質したりしてしまい、印象が大きく変わる可能性が高いからです。

 

もはや、好きだった香りではなくなってしまうわけですね。

 

そして、大抵おいしくない、と。

 

最初に「いい香り!」と期待値が上がったぶん落差は大きくなるからだと思いますが、その上がった期待に応えられるのは水出し紅茶以外にはない!という感じですね。

 

逆に、「香りはするんだけど…何だろう?」「梅?いや、ライチのようにも感じるんだけど、最後になんかホオズキみたいな酸味っぽい香りもする…」という場合は、熱湯の方がいいということです。

 

以前、知り合いにフレーバーティーを嗅がせたらアールグレイをコショウ」、「ぶどうのフレーバーティーをセメダイン」と答えたことがありましたが、そういう場合はエビアンと軟水の熱湯がいいかも、ということですね。

 

これはなぜかといいますと、先程のいい香りの場合、「期待通りの味がしてほしい=期待と違う(劣化した)のはNG」なわけですが、はっきり特定の香りと分からない場合はそのような余計な期待がないので、思ったよりおいしく感じることが多いからです。

 

「何の味かは分からんけどうまみはあるね!」と言わせるくらいには、紅茶にもいろいろな成分が入っているということでありましょう。

 

また、茶の甘みが加わることによって、いい意味で別の物のように感じられることもあります。

 

先程の「セメダインの匂いの紅茶をいれろっていうのか!?」と思うかもしれませんが、熱湯によってその香りが弱まり、セイロン茶の味も相まって「かなり薄いけど香りの長続きするぶどう」みたいな味になって、思ったより飲みやすくなりましたよ(笑)

 

セメダインではなくなりました。

 

また、(名前からは全く想像できないんですけど)シナモンロールみたいな強烈な香りがする紅茶もエビアンと混ぜた熱湯で作ったことによって、キャラメルフレーバーのついたコーヒーのような香りになったこともありました。

 

結局のところ、やってみなければどんな味になるかは全く分からんわけですが、せっかく買ってしまったわけなので試すのもよいのではないでしょうか。

 

エジソンのように「失敗したのではない。自分に合わない紅茶をまた1つ見つけたのだ」という感じですね。

 

もちろん、これから紅茶を買う人も「どんなに悪くても、飲めないくらい酷くはならない」と分かれば買いやすい思いますので、ぜひ参考にしていただければ。

 

まとめ

 

 

フレーバーティーは(多くの場合)

 

  • 香りが特定できる、もしくは好きな場合はエビアン:軟水=1:1の水出し紅茶がおすすめ
  • 香りが特定できない、何の香りかよく分からん場合はエビアン:軟水=3:7の熱湯がおすすめ

 

という感じでした。

 

「完全な私見ですが…大丈夫です!」というと怪しく思われますが、煎茶・抹茶で既に確立されているやり方(を合わせたもの)でありますので、安心して試したいただければ…。

 

ちなみに、強いてあんまりおいしくない茶葉を挙げるとすれば「ディンブラ」と「ニルギリ」でしょうか?

 

あまりいい茶葉が売っていないというのもありますが、期待以上の味が出ることはほとんどない感じがしますね…。

 

逆に言えばいつも通りの紅茶が飲みたい方にはよいのかもしれません。

 

お菓子にはよく合うんですけどね。

 

 最後に、ティーバッグでおいしい紅茶

 

 

リーフでおいしい紅茶