何の香りかはっきり断定できないフレーバーティーは、熱湯でいれれば80%くらいはうまくいく!かも 「ルピシア ローズ・ダージリン」
そもそも「バラの味」ってどんな味?
突然ですが、みなさんは「バラ(薔薇ですね)の香り・味」と言われて、それをりんごや桃、パイナップルのようにはっきりと思い浮かべることはできますでしょうか?
「バラのジャム」や「マドレーヌみたいなバラのお菓子」などは世に存在し、かつ食べたことがあるかと思いますが、バラの香りはしましたでしょうか。
ちょっと微妙ではないですか?
「イメージはできるけど、バラかと言われると…」ということがほとんどじゃないでしょうか?
まあ、でもお菓子とかケーキの場合バラかどうかはさておき、バニラっぽい味とか白あんみたいな味でおいしければよいでしょう。
バラをイメージしました、と書いてあったら「もしかして、このレシピを考案した人の中でのバラはこんなイメージなのかな」
「このレシピを学んだ地域ではバラがたくさん咲いてて、それが印象に残ったのかな」
とも、考えられなくはないですよね。
具体的に「バラはこうだ!」とは言えないかもしれませんが。
しかし…紅茶はどうでしょうか?
実は紅茶製品にもバラの香りのついたものはそこそこあるんですが、やはりふつうのお菓子やケーキのように「順当においしくはない」のが悩みどころ。
なぜならば、紅茶には苦み・渋みがあるからです。
つまり、おそらく多くの人が味わったことがない、もしくは多くの人が抱くイメージとは異なるバラの味になってしまう可能性が高い、といえます。
バラと言われて苦みを思い浮かべる人は少ないでしょうし…。
まあ、ずっと商品としてあるわけですから、好きな人もたくさんおりましょう。
香りもいいですし。
しかし、人は予想外のことが起こるとつい拒絶したり、過剰に反応してしまったりするもの。
「うわっ、変な味!」「なんだコイツ!」と思っても、ちょっと時間を空けて冷静になったらそんなに酷評するほどではなかった、ということは人間関係でも食品でもありますよね。
よって、今回はそのお話をしようかと思う次第であります。
そういえば余談ですが、バスでオヤジとかおばちゃんが声を荒げてしまうのも、予想外のことに驚いたり遅れることに不安を抱いたりしているからだそうですね…。
乗り換えしないと目的地に行けない時に最初のバスが遅刻したりすると、気が気じゃないですもんね。
まあ、それはいいんですが、お茶はあくまで嗜好品というか娯楽なので、(私は生産者じゃないですが…)それで気分が悪くなる人がいるかもしれないと思うと、なんだか寂しい気持ちになってしまいます。
なので「そういうものなんだ」と知った上で飲むならきっと問題はないと思うんですが、知らずに飲むといろいろ不都合が生じるかもしれないぞ、というお話を。
ダージリンはいれ方よりも茶葉が好みかどうかだ!というのはフレーバーティーになっても変わらない
ほとんどのダージリンがどう頑張っても苦くなってしまうのは、もはや仕方がないことであります。
それはどれくらいかといいますと、「ごはんに砂糖をかけたら甘くなる」のと同じくらい仕方がないです。
なので、ダージリンはいれ方ではある程度しか味を操作することができず、茶葉が好みかどうかが非常に重要になってくるんですが、そんな中でルピシアにて「ローズ・ダージリン」なる紅茶を見つけました。
バラの香りのついたフレーバーティーでして、苦みのあるダージリンにフレーバーとは…一体どうなるんだ?という感じがしますね。
ちなみに、紅茶はバラの香り成分と共通したものが何種類も含まれていて、特にダージリンに多いそうです。
しかし、そんなバラと共通点のある高いダージリンをイメージ…とかではなく、ふつうにいい香りが着いた紅茶であります(共通の香り成分があっても紅茶にバラっぽさはほぼないので注意)。
説明によると
優美なローズの芳香がダージリン風味に自然に溶けこんでいきます。ふんだんに散りばめられたローズの花びらが目にも美しい紅茶。
とのこと。
まあ、若干虫除けスプレーにも含まれていそうな香りでもありまして、好みが分かれそうな感じではありますが決して悪い香りではないかと。
蜜に酸味のある花みたいな。
しかし、香りがよいのはいいんですが、これはあくまで、苦いダージリン。
価格も決して高くはない(普通かちょっと安いくらい)ことから察する通り、このローズ・ダージリンに使われている茶葉は結構苦く、どのいれ方でも一定以上の苦み・渋みが出てきてしまうのです。
セカンドフラッシュなのかもしれませんが、かなりファーストフラッシュ寄りの味でした。
そのため「これはちょっと難しいかな…」と思いつつもいろいろ試したところ、いれ方としては
- エビアン:軟水=3:7の熱湯
が一番飲みやすくなりました。
タイトル通りなんですが、「袋を開けた際に何の香りかはっきり断定できない・香りが好きでも嫌いでもない時は、熱湯でいれれば8割くらいはうまくいく(もちろんただの熱湯ではなくエビアンと軟水の混合)」というのを最近感じていまして、それを試してみました。
「紅茶のいれ方について、ひと言で言うなら?」に対する現時点での答えというか。
まあ、相変わらずいれた後の茶は何の香りかはよく分からないものの、「こんな香りの花があったな」といった香りにはなりました。
ちょっと飲みやすく。
が。
が、ですよ。
その甘い香りのすぐ後に結構ぎりっとした渋みが来まして、大雨が降ったかと思えばすぐ晴れる雷雨の日のように、急に味が大きく変わるのであります。
ここが一番好みが分かれるところでありましょう。
お茶の渋みが好きな人ならばいいかもしれませんが、袋を開けた際の香りやローズ系が好きな人には厳しいものがあるかと…。
ちなみに、これは水出し紅茶にしても同じことでありまして、低温でもしっかり渋いところは「いかにもダージリンだな」という感じがしますね。
むしろ水出しでは香りがそこまでせず、渋みばかりが目立つためあまりおすすめできそうにありません。
まあ、このローズ・ダージリンは極端な例というかとりわけバラ系のフレーバーティーの中でも渋く、もしかしたら他の紅茶はそうでもないのかもしれませんがぜひ知っておいてもらいたいな、と。
初めて飲んだ人はきっと驚くでしょうから…。
まとめ
- やっぱりダージリンはフレーバー、ノンフレーバード問わず、茶葉で味のほとんどが決まってしまう(いれ方でそんなに味が変わらない)
ローズ・ダージリンのいれ方は
- エビアン:軟水=3:7の熱湯で、200〜250mlにつき茶葉3g。抽出時間は5分程度(おそらく、これが一番バランスがいいはず…)
- 他のいれ方は非推奨
ですね。
私も「ローズ」というと結構甘そうなイメージというかポジティブなイメージがありますが、このローズ・ダージリンは名前に反して(?)ポップなフレーバーティー好きの人よりも、お茶の渋みが好きな人向けの紅茶と言えそうです。
私はあまり紅茶の渋みをおいしいとは思えない人間ですが、意外と紅茶の渋みが好きな方はいるみたいですね。
そういった方には好かれるのかもしれません。
ということで、「何の香りかはっきり断定できない・好きでも嫌いでもない」時は、エビアンと混ぜた熱湯でいれてみてください。
8割くらいの紅茶は「好きか嫌いかをジャッジできるライン」まで飲みやすくすることが可能です。
そこそこ人気だそうなので、ローズ・ダージリンをおいしくいれられなくて困っている人を見かけたら「エビアンがいいよ!」とスマートに助け舟を出せる紅茶男子や紅茶女子になりたい方は、ぜひ。
他のダージリンについての記事はこちらを