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ストレートティーについて考えるブログ

20180421162403

知らないうちにスタバは全盛期の姿を失ってしまった!らしいぞ

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スターバックス 成功の法則と失敗から得たもの」という本を読みました。

 

7〜8年くらい前に我が青森県にスタバが来た時は「ついに…!」という感じで、マーケティングとか講義の参考文献として嫌というほどスタバのビジネスモデルの話や本を読まされた記憶があります。

 

2008年くらいからスタバは「普通のファストフード店」になってしまった?

私は2〜3回しか行ったことがないんですが、スタバの成功の秘訣とされていた「家でも職場でもない、居心地のいい場所(サードプレイス)」「良質で本格的なコーヒー」について、ちょっと疑問があったんですよ。

 

そんな居心地がいいというか、他の店に比べて圧倒的に優れているようには感じなかったかな?と。

 

が、実はそれは割と正しかったようで、2008年にスタバの株価は全盛期より6割も低下してしまったそう(株はあんまり詳しくないんですが)。

 

そこからずっと低迷しているそうで、その理由を「大規模な拡張と利益追求で、スターバックスを人気店にしてきた多くの要素を捨ててきたから」と著者は語っています。

 

具体的にいうと

 

  • 店内で豆を挽かなくなったせいで、まずいサンドイッチの匂いしかしなくなった(たしかにコーヒーの香りはあまりしなかったような)

 

  • 顧客サービスが低下した(店舗数が増えてスタッフの多くがアルバイトだから?1つの店舗にいるバリスタの人数は明らかに減ったそう)

 

  • 全自動エスプレッソマシンを導入し、コーヒー作りを機械化したため、新鮮なコーヒーじゃなくなった

 

  • 店内をテディベアや装飾用の小物で散らかし、とても柔らかい椅子を取り払って、内装を作り物っぽく、居心地の悪いものに変えた

 

  • かつてほどよいコーヒーを出さなくなった(加えて、マックやドーナツ屋のコーヒーがおいしくなった?)

 

ということで、要するに「何十年も前にスターバックスが盛り上がってたころはコーヒーもおいしかったし居心地のいい場所だったけど、今は全然その面影がないよ!」ということだそう。

 

まあ、確かに現在は騒がしい学生やらスーツを着た人やらがたむろしていてリラックスできる雰囲気ではないので、「そういう人が入りやすい=ファストフード店化してしまった」という感じなんでしょうか。

 

なので、講義等で習ったからといって今のスタバに行っても、かつてのような学びが得られるかは分からんわけですね。

 

なるほど。

 

 

 

 

スタバやコーヒーの話とか

他にもコーヒーやそれにまつわる話をいろいろご紹介。

 

神のコーヒーのいれ方

マサチューセッツ工科大学教授のサミュエル・ケイト・プレスコットという人物が数年にわたって試作をした結果、1世紀近く経った現在でも永遠の真実と言われる「完璧な神のコーヒーのいれ方」を発見しました。

 

それがこちら。

 

  • 水8オンス(227ミリリットル)につき、テーブルスプーン1杯の挽きたてのコーヒーを使う

 

  • ガラスか陶器の器のなかで、コーヒーの粉を沸騰する数度手前の湯にくぐらせる

 

  • 湯を沸騰させてはならないし、コーヒーを温め直してはいけないし、粉を再利用してはならない

 

「こんな単純でいいのか?」とも思いますが、考えてみれば紅茶もエビアンに浸して放っておくだけで超おいしくなりますからねー。

 

コーヒーもきっとシンプルなのでしょう。

 

ちなみに、プレスコット氏はこのいれ方を数百の雑誌や新聞に発表したため、多くのアメリカ人はコーヒーのいれ方を知らなかったわけではないそうです。

 

が、プレスコット氏のアドバイスに従う者は少なく、多くの人はコーヒー沸かしをストーブに乗せて放っておいた最悪な味のドロドロのコーヒーを飲んでいたと。

 

スターバックスの前身を立ち上げようとした人々がいなければ、アメリカのコーヒー文化はどうなっていたんでしょうか…?

 

スターバックスは個人経営の店を潰そうとしている?

日本だと「イオンが近くに来ると周りの地方スーパーは大打撃をうける」などと言われていますが、アメリカではスタバも同じように見られていたことがあったそう。

 

開店してもガラスを破られたり、怪しいビラを貼られたりすることもあったようで、スタバを攻撃して逮捕された人が結構いたとか。

 

が、スタバが自分の店の目の前や隣にできても歓迎する人もいたそうで、その理由は

 

  • スタバがコーヒーやラテの味を知らない人々を教育する

 

  • その後、コーヒーに味をしめた人々が個人経営の店に自分好みのコーヒーを求めてやってくる(店が隣や向かいにあった方が寄りやすくて都合がいい)

 

ため。

 

「スタバが隣にできるらしいぞ!」と教えられて過呼吸になったコーヒーショップの経営者もいたそうですが、むしろ、スタバができた次の年には売り上げが増えた店がいくらもあったそう。

 

何なら「スタバが隣に来なければ(地元の客の舌を教育しなければ)ウチのコーヒー屋は潰れてた」という人までいたとか。

 

が、一方で(暴動が起きるくらいなので)潰れた店とそうでない店の何が明暗を分けたかといいますと

 

  • おいしいコーヒーを出していたかどうか

 

と明快であります。

 

つまり、「もともとよい商品を持っていない店が消えるのだ」と記されてある通りで、やっぱりコーヒーがおいしいのが大事なんだ、と。

 

今でも薄いコーヒーを1杯400円とかで出しているところがたまにありますが、そういうところが潰れたわけですね。

 

確かに、私も普通に自宅で作れてしまうレベルの料理ではまた食べに行きたいとは思わないので、よく分かります。

 

また、かつてのスターバックスは個人経営の店より閉店が早いため仕事帰りの人や学生を網羅できず、さらにサンドイッチはまずかったため、「正しい商売をしていれば個人経営の店はスターバックスを恐れる必要はなかった」ともありました。

 

コーヒー愛好家が多いのは「自動的にテイスティングしているから」?

コーヒーにうるさい人というのはたくさんいるわけですが、どうして紅茶よりもこんなに?と思ったことはありませんでしょうか。

 

これも(エスプレッソについてですが)書かれていて、どうもコーヒーの油分が舌、つまり味蕾をおおい、そのなかに含まれる香りをゆっくり放出するそう。

 

簡単にいうと、ソムリエがワインを飲む際に舌の上で転がしたりうがいのようにしたりしますが、濃い目のコーヒーだと油分のおかげで、あたかも同じことをしているような効果が得られているんだ、と。

 

なので、エスプレッソコーヒーは舌に塗るもの」と言う人さえいるそう。

 

まあ、そりゃ毎回テイスティングしていたら「あれが好き」「これはイマイチ」みたいな、自分の好みがはっきりするわけですな。

 

エスプレッソとはいいますが、豆多めの水出しコーヒーでも結構ポットに油分がついているので、薄いコーヒーでなければ同じような効果は得られているのかもしれません。

 

私も「どうしてコーヒーはここまで人気なんだ!?」と思ったことが何度もありますが、飲むだけで自動的にテイスティングできて、かつあれだけ味がはっきりしているわけなので、そりゃ好きな味に出会えばトリコにもなりますわ。

 

ビールなんかもそうですが、よく味わうと脳が早く学習してくれる・慣れてくれるみたいですし。

 

とすれば、コーヒー愛好家というのは本当に味が大好きでたまらない人が多いのかもしれませんねー。

 

やはり紅茶はコーヒーと同じような売り方をしてはいけないような気がしてきました。

 

ちなみに、あまりにもいろいろな本に「スタバのフードはまずい」と書いてあるので、コロナが落ち着いたら久々に行ってみようかと思う次第であります。

 

中には、「スタバのフードはフードという概念を拡大解釈したものである」とさえ。

 

果たして、そんなにまずいものかどうか…?