old reliable tea

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ストレートティーについて考えるブログ

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マスカットティーは200円あれば十分においしい物が買えるみたい 「ジュピター 水出し紅茶 西洋葡萄」

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今回登場するお茶
・ジュピター 水出し紅茶 西洋葡萄(メイン)
・ジュピター 水出し紅茶 山葡萄

今回紹介するいれ方
エビアンと軟水を使った水出し

 

 

フレーバーティーの香りと苦みは「廃ホテルに置かれた日本人形」と同じくらい不適切な配置である

紅茶の世界において、マスカテルフレーバーという非常に抽象的な味の表現があります。

 

「マスカテルワインのような複雑な香り」とか「マスカットのような味わい」という話があるわけですが、「では、マスカットの香りがついた紅茶というのはないのか」と思ったことがある人もいらっしゃるのではないでしょうか?

 

これだけ「紅茶は苦いものだ」と言われつつも「いい紅茶=マスカット味がする」という認識が広く受け入れられているわけですよね。

 

特にそれに反論している人やサイトは見当たりません。

 

マスカットは苦みとは対極にあると言っていい味であるにも関わらずこのような現実である…ということは、「いつかそんな紅茶に出会いたい!という期待」が多くの人にあるのかもしれません。

 

もしくは「おいしい紅茶はあんな番茶みたいな味ではなく、もっと華やかな味や香りがしていてほしい…」という願いかもしれません。

 

いずれにせよ、おいしい紅茶が飲みたいということですよね。

 

ということで、今回はジュピターの「水出し紅茶 西洋葡萄」を紹介します。

 

新横浜プリンスぺぺにも入っているお店「ジュピター」の紅茶ですな。

 

安価なフレーバーティーではありますが、葡萄の香りがしっかりついた紅茶であります。

 

出来上がりはやや薄めにはなりますが、このくらいの味の紅茶を買おうと思うと数倍は金がかかるので、かなり優秀な商品だと思われます。

 

ちなみに、フレーバーティーというとたまに「匂いがキツいから苦手…」という人がいますが、あれは実は間違いである可能性が高いです。

 

どういうことかといいますと、実は食べ物や飲み物が好まれない理由のひとつに「配置が不適切だから」というものがあります。

 

配置が不適切というのは、例えば、遊園地やテーマパークなんかにはウサギやタヌキの着ぐるみがいるじゃないですか。

 

もしあれが廃墟とか何年も使われていない倉庫に意味ありげに置かれていたら、超怖くないですか?

 

魂が抜けたような姿勢でイスに座らされていたり、頭だけ入り口を向いていたり…。

 

よく夏の恐怖特集なんかでもやってましたが、撮影に入った廃ホテルになぜか頭だけの日本人形が置いてあるとか。

 

アレは本来美しいはずの日本人形が置いてある場所が不適切であるために起きたことなんだ、と(日本人形は普通に飾ってても怖いですけど…)。

 

「酢豚にパイナップル」なんかもそうかもしれません。

 

酢豚もパイナップルも好きだけど、「誰が混ぜろと言ったんだ!」という人は結構いるんじゃないでしょうか。

 

私もニンジンは生で食べられるくらい好きですが、ハンバーグやステーキの付け合わせに付いてるグラッセは大嫌いです。

 

つまり、同じ物・味・色でも適切な場所に収まっているから好き・おいしい・美しいのである、と。

 

まさに酢豚にパイナップルですよね。

 

そして、これを紅茶に置き換えて考えてみれば、フレーバーティーアールグレイ適切な配置であれば、もっというと、本当にフルーツの味や香りがキツいと感じるくらいであれば大喜びされるはずです。

 

なぜなら、フルーツが好きでなければアールグレイフルーツティー等は買わないでしょうから。

 

問題は渋みの中にフルーツの味があることですよね。

 

つまり、フレーバーティーが好まれない理由の「匂いがキツい」というのは間違いで、「味があるべき場所に配置されていない」が正しい、ということですね。

 

まあ「マスカットやイチゴの香りがするのに苦い」などというミスマッチは紅茶くらいでしょうね…。

 

が、それで終わってしまうのもなんだか寂しい話なので、おいしい紅茶のお話をしましょう。

 

マスカテルフレーバーではなく、マスカットの香りがする紅茶を

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マスカテルフレーバーの正体は未だはっきりしてはいませんが、この紅茶は非常に分かりやすくマスカットの香りがついております。

 

香り自体はウェルチのマスカット・ブレンドに似たような感じでありまして、当然砂糖は入っていないですし安い紅茶でありますので薄めではありますが、香りは素晴らしいのであります。

 

 

 

私も「これがマスカテルフレーバーなのか…?」と思えるダージリンをいくつか飲んだことがありますが、確かにそれらもおいしいと思うんですよ。

 

思うんですけど、そのおいしいというのはある程度紅茶を飲み、「この味がする紅茶は貴重だ」と知っていてその価値をより身近に感じられるからだ、とも思っています。

 

何というか、仮に自分がお店をやっていたとしたら「とりあえずのオススメとしては出しにくい」というか、「味わい深いが、これは値段分の味がするかと言われれば疑問」というか。

 

100g3200円、2800円とかだと特に。

 

が、今回のマスカットティーはそんな心配もなく、ガンガンお出しできる紅茶です。

 

なぜなら、ここまでまんまマスカットの香りがする紅茶(そもそもマスカットの紅茶自体があまりないんですが)に、私はかつて出会ったことがないからであります。

 

多くの人が抱くマスカテルのイメージはこちらのほうなんじゃないかと。

 

その上破格なのがお値段。

 

なんと、12gのティーバックが3つ・計36gで1袋198円なのであります。

(8/28追記:実は売り切りセール中だったようで、定価は298円だった模様です。失礼しました。)

 

たいへん素晴らしい。

 

正直なところ、3000円とか4000円するオータムナルや○○農園のダージリンよりもこちらのほうが「芳醇・香り高いとされている紅茶のイメージ」にしっくりくるのではないでしょうか。

 

ジャンナッツにもマスカットはありますが、ジュピターの西洋葡萄のほうが薄めたブドウジュースのような、違和感のない味わいだと私は思います。

 

ティーバッグから茶葉を取り出して作ってみるのもおいしい

で、このマスカットティーをどう作るかといいますと、袋に「水出し紅茶」と書いてある通りなんですが、毎度ながらエビアンを使っていただくのがおすすめです。

 

茶葉の味が決しておいしいわけではない気もしますが、やはりエビアンが入らないと甘みは感じられないですねー。

 

本当にエビアンを入れると紅茶が甘くなるのは謎であります。

 

それはいいとして、具体的ないれ方は

 

  • エビアン:軟水か水道水=1:1の水出しで、ティーバッグ1包につき600〜800ml
  • 抽出時間は12時間〜24時間

 

という感じですかね。

 

袋によると

 

冷水ポットに本品1包と水(1Lが目安)を入れて約3〜4時間。

※出来上がりの目安は5〜7人分です

お好みの濃さに調整してお愉しみ下さい

 

とのことですが、1リットルは多いでしょうね。

 

ちなみに、過去にポットの形や量の話をしましたが、いろいろ実験してみたところあれはリーフにおいて効果が高いようなので、このマスカットティーはどんなポットでもOKです(縦に長い麦茶ポット等はさすがにNG)。

 

抵抗がなければ大きな鍋ごと冷蔵庫に入れておいてもいいかもしれませんね。

 

また、ティーバッグから茶葉を出して水出し紅茶を作ると味が若干変わります。

 

どう味が違うかといいますと、ティーバッグから出さないものは「若干の茶の味+マスカットの香り」となります。

 

スリランカや紅茶感のある方が好きな人にはいいかもしれません。

 

ティーバッグから出したものは下だけが濃く上下が混ざっても色は薄いままですが、茶の味が薄いぶん、マスカットの味に集中できる感じでしょうか。

 

薄いながらも甘く飲みやすいため私はこちらの方が好きですかね。

 

また、参考までに、ティーバッグから出した茶葉を1リットル用ポットにあけ、エビアンと軟水を計700ml程度注いだものですと、12時間で十分おいしく飲めるようになりました。

 

いつもの水出し紅茶は24〜48時間のあいだで濃さが変わるぞ、という話をしていますが、このマスカットティーは12時間あればおいしくできるということですね。

 

むしろ、香りさえ移れば十分なので、普通の紅茶と違って長時間置いてもあまり味が変わらないと思います。

 

どちらも試したいただいて好きな方を採用していただければよいかと。

 

ということでした。

 

しかし、たまたま見かけて手に取った紅茶でしたが、変に深い読みをせずに買ってよかったです。

 

こういう値段不相応においしい紅茶があるからいざ買うときに迷ってしまうのかもしれませんね…。

 

198円でこんな紅茶はかなりのレアケースではありますが。

 

ただ、私がパッと見て「この値段ならそこまででもないんだろうな」と思ったように、多くの人も同じように思ってしまうかもしれません。

 

さらに、もし買ってもらえたとしてもそのまま水道水で入れてしまったら悲しいことになってしまうので、どうしても評価されにくい紅茶かもしれません。

 

ぜひエビアンをお使いくださいませ。

 

ちなみに、一緒に山葡萄も買ったんですが、それらは香りが薄く、また飲んでいて何の香りなのかはっきり分からないくらいだったため、まずはマスカットティーをおすすめします。

 

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香りでパッと分かるのがマスカットだけというか、いれる前の香りが「これは何だろう?あっ、山葡萄って書いてある」みたいな感じです。

 

マスカットがとてもおいしく、他は値段相応といった感じでしょうか。

 

が、全種類を飲んだわけではないので、またおいしいのがあったら報告します。

 

まとめ

 

  • マスカットだとはっきり分かる香りがする(再現度が高いとも)上に198円と安く、かつティーバッグであるため計量が不要で便利である

 

西洋葡萄 マスカットティーのいれ方は

 

  • エビアン:軟水か水道水=1:1の水出しでティーバッグ1包につき水600〜800ml、冷蔵庫で12〜24時間

 

  • ティーバッグから茶葉を出して抽出すると甘く渋みのない、薄めたブドウジュースのようになる(結構薄め。ただ、香りだけで甘く感じられる)

 

  • ティーバッグのまま抽出すると適度な茶の味とマスカットの香りで、よい紅茶といった感じになる(初めて作る、誰かに飲ませる際にはこっちの方がいいかも)

 

という感じでした。

 

198円なので出来上がりは若干薄めになりますが、これだけの味を楽しめるマスカットティーは買いじゃないでしょうか。

 

濃くても香りが悪ければおいしいとは言えないですからね。

 

他の紅茶だとそこそこ値段が張ることも相まって「もしおいしいと感じるのが自分だけだったらどうしよう…?」と思うこともありますが、これは何の躊躇いもなくおすすめできますね。

 

天然のマスカテルフレーバーでこれよりもマスカット味がするものを探すのは時間もお金も労力もかかると思うので、とりあえずこれをお試しいただくのがよろしいかと思います。

 

いろいろ試して、リラックスできる至福の1杯を見つけてくださいませ。