old reliable tea

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ストレートティーについて考えるブログ

20180421162403

小話:水色って何か味に影響するの?/本来の緑茶は黄金色らしい/ほうじ茶はほぼテアニンがない? など

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短めのお話を。

 

水色は「おいしさをかなり左右する」

緑茶よりも紅茶関連でよく出てくる「水色(スイショク)」という言葉ですが、これは一言で言えば「先入観」らしいです。

 

というのも、茶業試験場の職員に複数のお茶をそのまま飲んでもらう際、公平性を期すために(色で何のお茶か判断されないように)サングラスをかけて味の評価をしてもらったそうなんですが、きわめて困難だったそう。

 

このことから、水色は先入観を始めとした感覚要因に影響するものであり、簡単に言えば、パッと見「美味しそうな色だなー」とか「うわっ、見るからに渋そうな色」といった視覚が味に影響するということでしょうか。

 

この実験に使ったお茶をどうやって淹れたかははっきり書いてないですが、緑茶は適当に淹れても結構美味しいものもありますし、紅茶とはまた違うかもしれません。

 

ただ、個人的に思うのは「アッサムだと思って淹れた茶葉が実はケニアだった」とかは結構気付くので、そもそものお茶の味の差が微々たるものだったという感じですかね?

 

もしくは、私もいろいろお茶を飲んでますが、やはり一度飲んだことがあるものじゃないと当てられないですし、そもそも分からない茶葉もありますからね…(安いディンブラとアッサムはほぼ区別がつきませんし)

 

いずれにせよ、先入観や色で味を判断せず、温度や時間に気を使ってもらえれば◯かと。

 

また、色が薄くても(あるいは濃くても)美味しいお茶はあるので、水色だけで味の優劣が分かるというわけでもなさそうです。

 

エビアンなんかを混ぜて長めにいれると黒くなったりしますが、あんまり気にせずに飲むのがよさげ。

 

本来の緑茶は黄金色らしい

これも先入観繋がりですが、とあるお茶屋さんと話していた際に聞いた話によると、本来緑茶の水色は緑ではなく黄金色になるそうです。

 

本来というか「質のいいちゃんとした緑茶は」ですね。

 

スーパーとかに売っている安価な緑茶のパッケージでは緑の茶が映っていることがありますが、そのせい+ペットボトルの緑茶は黄色い→ペットボトルの緑茶は本来の緑茶とは違う紛い物だと思われがち→黄色いお茶=紛い物・美味しくないといったイメージを持たれている感じがある、とのことでした。

 

あと、悪くなったお茶は黄色くなる…というのもちゃんとした茶は緑だ!みたいなイメージに結びついているかも?みたいな話もありました。

 

ちなみに、なぜ緑色になるかというと、高いお茶や手作業で選別された緑茶は茶葉の長さが揃っており、削りかすのような細かい葉が極力入らないようにしているんだとか。

 

安いお茶はその逆で、簡単に言えば濁っているので色が緑色に見えるということですね。

 

で、濁ること自体よりも、細かい加工に回される茶葉の質が低いことや、そもそもあまり手をかけられていない=さほどいい茶ではないことの方が問題なんだ、と。

 

つまり、緑に濁っている低質な茶を本物だと思ってしまうような状態になっているんだ、と

 

確かにそのお店で買ったg1500円の緑茶や京都で買ったg1800円のお茶は概ね揃った長い葉ばかりで粉があまり入っていませんでした。

 

まあ、いい茶葉でも細かい物はあるかとは思いますが、葉の揃った茶葉で水色が黄金色の緑茶=いい緑茶というのは覚えておいて損はないかと思います。

 

ほうじ茶はほぼテアニンがない?

市販品ということなので質に差はあるかとは思いますが、ほうじ茶と番茶はどうやら茶のうまみであるテアニンが低いそうです。

 

特にほうじ茶は焙煎することによって多くの味要素が減るとのこと。

 

ここで言う味要素とはつまりテアニンやカテキンのことですが、単に味だけでなく体にいい作用もあるので、それらが目的で飲む場合や緑茶の代用として使う場合、ほうじ茶は避けた方がよさそう。

 

参考までにそれぞれのデータを見ると

 

  • 抹茶・下級:タンニン10.57%、カフェイン2.93%、アミノ酸3.50%、テアニン1.37%、グルタミン酸0.58%

 

  • 煎茶・下級:タンニン14.43%、カフェイン2.49%、アミノ酸1.57%、テアニン0.60%、グルタミン酸0.18%

 

  • 番茶タンニン11.73%、カフェイン1.55%、アミノ酸1.06%、テアニン0.46%、グルタミン酸0.17%

 

  • ほうじ茶:タンニン8.79%、カフェイン1.76%、アミノ酸0.20%、テアニン0.03%、グルタミン酸0.02%

 

ということで、それぞれの下級のお茶と比べてもやはりほうじ茶は数値が低いですね…

 

カテキン(=タンニン)を取るにしても量が少なめなので、1.5倍くらい飲まないといけないかも。

 

ちなみにですが、お茶は粘度やエキス(玉露はエキス分が多いとか)、糖類など無数の要素によって味が決まるそうなので、「テアニンやカテキン目的ならほうじ茶じゃない方がいい」というだけで、結局は好みということになりそうですね。

 

「お茶って肥満防止とか健康効果あるんでしょ?お茶いっぱい飲んだからちょっとくらい多く食べても平気よね!」と思っていても、飲んでいるのがほうじ茶だと思ったほど効果はないかもしれません。

 

お気をつけください。

 

ちなみに、早く採った茶ほど糖類が少ないため、純粋な糖類の量だけで言えば、かなり遅く摘んだ葉を使う番茶は、そこそこいい中程度の玉露と同じかそれ以上の糖量(甘み)がある模様です。

 

安い番茶が意外とおいしかったりするのはこのためなんですね。

 

ということでした。

 

ご参考までに。