2020年最も買ってよかったお茶「ルピシア パラダイス」
今回登場するお茶
・ルピシア パラダイス
- フレーバーティーがおいしくないのは茶葉の味が出ていないから?いえいえ、むしろその逆ですよ!
- 「砂糖を使わずとも香りだけで紅茶は甘くなる」は正しかった
- これより完成度の高い紅茶やジュースは果たしてあるんだろうか?
- まとめ
フレーバーティーがおいしくないのは茶葉の味が出ていないから?いえいえ、むしろその逆ですよ!
まだ6月、2020年も半分くらいではありますが「これ以上のものはおそらく今年中、いや2、3年は出会わないだろう…」というお茶を見つけました。
ちょっと気が早いかもしれませんが(私が買った中で)2020年最もおいしかった紅茶のお話を。
フレーバーティーというのは香りがよいものは数多くあれど、それが活かされないケースが多いのが非常に悩みどころであります。
これは高い紅茶でも同様で、マリアージュフレールやTWGでもどうやっても香りが液に乗らないというか、ある程度以上は濃く出てくれない物が多いのは寂しいところであります。
そんな中でこのパラダイスは「できるフレーバーティー!」といった感じです。
やっぱりおいしい紅茶はいいですねー。
パラダイスをはじめとしたフレーバーティーに関して、よく「香料で誤魔化して茶葉の味がしない」という意見が散見されますが、あれは間違いで、茶葉の味が出れば出るほどフレーバーティーはまずくなります。
なぜそう言えるかというと、多くのレビューしている人は「熱湯でいれているから」です。
熱湯というのは一番茶葉の味が開けっぴろげになる味で、うまみ成分や茶葉の特徴が最も引き出されるいれ方であります。
ありますが、同時に多くの人を不快にさせ、嗜好性を大きく低下させる苦渋味が最も引き出されるいれ方なんですよ。
苦渋味が2倍になると、平時の3〜4倍の砂糖を加えないと相殺できないことも分かっています。
何が言いたいかといいますと、茶葉の味がしないと言いながら、実はみなさん100%茶葉の味を抽出しているんですよ。
むしろ、紅茶やフレーバーティーがまずいと言われるのは味を100%抽出してしまったからと言っても過言ではなくて、それが私が水出しをおすすめしている理由でもあります。
つまり、うまみ成分は熱湯の時に比べたら80%とか70%しか抽出されていないかもしれませんが、水出し紅茶はタンニンやカフェインなどの苦渋味が20%以下になるからおいしいのだ、と。
例えるなら、タマネギは生だと厳しいですが、火を通して辛みを取り除いてやれば(適切に調理すれば)、甘くどんな料理にも合うようになるのと同じです。
つまり、うまみも渋みも100%のお茶よりも、うまみが70%渋みが20%のお茶の方が「明らかにおいしい」ということですね。
まあ、結局のところ、熱湯でいれればルピシアに限らず5000円のダージリンでも3000円のフレーバーティーでも渋いものは多いです。
正直、どの紅茶が渋いかは飲んでみるまでよく分かりませんので、高ければおいしいというわけでもないぞ、という認識がよろしいかと思います。
それでは本題のパラダイスのお話に。
「砂糖を使わずとも香りだけで紅茶は甘くなる」は正しかった
それは、ルピシアのパラダイスという紅茶で、ドライのクランベリー、パパイヤ、マンゴーなどが入ったフレーバーティーです。
クランベリーやパパイヤはなかなか手に入らないと思いますし、パラダイスという名前からは味を想像しにくいかと思います。
実際、私も買うかどうか迷いました。
が、このような、まるでジュースのような紅茶ができるとは誰が想像したでしょうか?
パラダイスの特徴はなんといっても「香りのクオリティ」です。
どういうことかといいますと、当然パラダイスさん自身に砂糖は入っていないんですが、液は甘いんですよ。
私も飲みながら「どうしたらみんな興味を持ってくれるかなー」「これは一体何から取った香りかなー」と独りごとを言いますが、何か言葉を発するごとに、このパラダイスのマンゴーともパイナップルとも言えるような香りが喉の奥から上がってきます。
普通のジュースは甘いですけど、飲んだ最中に感じた味が香りとして上がってくることってほとんどないじゃないですか(だからたくさん飲んじゃうわけですが)。
せいぜい口に糖分っぽさが残るくらいですよね。
ま100%のマンゴージュースやミックスジュースなんかでも何かしらの香りは上がってくるものの、おいしい香りではないじゃないですか。
ラベルを見るまで何の味か忘れてた、みたいな。
つまり、これは「砂糖や果糖、人工甘味料にほんのちょっとの香料で感じた甘さと、純粋な香りによって感じた甘さの違い」といえるのではないかと。
糖度がめちゃ高いいちごよりも、少し糖度が低いけど香りが濃いいちごの方が甘く・おいしく感じるのと同じですね。
飲んだ瞬間に「これはなかなか…」と、自分で自分の表情が緩んだのが分かるくらいです。
私もいつもなら結構早めに飲みきってしまうんですが、パラダイスに関しては500mlを飲むのに半日くらいかけられます(連続で飲むと香りが分からなくなるので)。
ちょっと作るだけでも他の紅茶以上に十分楽しめるかと思われます。
むしろ小さいポットで500ml程度作る方がいいかもしれませんね。
これより完成度の高い紅茶やジュースは果たしてあるんだろうか?
パラダイスに最も適したいれ方は水出し紅茶です。
具体的にいうと
- エビアン:軟水か水道水=1:1で、茶葉は170mlにつきメジャー1杯(1リットル用ポットに茶葉6杯くらいのイメージ)
- 抽出時間は24〜48時間(36時間でも十分おいしい)
- 冷蔵庫から出したてのヒンヤリした物を飲むのがベスト
です。
熱湯ではやっていませんが、水出しを1/3くらい残したまま出かけて帰ってきて飲んだら、僅かな渋みでもパラダイスのフルーツ感が台無しになったので、熱湯ではおそらく無理があるでしょうね。
常温で放置して、さらに茶葉から揚げるのを忘れていたせいもあるかもしれませんが、渋みがあってはならない味です。
また、冷蔵庫から出したての冷たい状態で飲むのがおすすめです。
なぜかというと、常温になるとタンニンが酸化されるため渋くなり、かつ味を濃く(たいていは渋みを)感じるようになってしまうためです。
タンニンの酸化は起こっているのかどうか疑問レベルではありますが、とりあえず渋くなるため、なるべく冷たい状態で飲んでもらうのがおいしいと思います。
トロピカル系のジュースとかも冷たい方がおいしいですもんね。
ちなみに、パラダイスというのは「悩みや苦しみのない楽しい世界、楽園」のことを言うそうな。
こいつを使えば、たいていの悩みや苦しみなくダイエットを続けられそうですね。
フルーツジュースは砂糖水も同然だそうなので、パラダイスがあればそもそもジュースは必要なさそうです。
ちなみに、フルーツジュースが体にいいと言われているのはほぼクエン酸のおかげらしいので、オレンジや梅干しを食べていれば十分だほう。
生のフルーツに比べて量が多いなんてこともないようなので、ジュースだけでクエン酸を補うと糖分過多になるわけですな。
で、パラダイスはこれだけすばらしいのに50g670円で買えてしまうので、本当にこれ以上の紅茶にはそうそう出会えないでしょうね…。
50g1000円くらいしてもおかしくないと思いますよ。
パラダイスを飲んだらもはやソフトドリンクでは物足りなくってしまうような気もします。
香りがよすぎて。
某キャラクターのセリフを借りるならば「あんたが初めてだぜ!俺にここまで紅茶はうまいと言わせたのはっ!」という感じでしょうかね。
まとめ
- 紅茶がおいしくないのは「茶葉の味がしないから」ではなく「茶葉の味を全て抽出してしまったから」という場合も多々ある(むしろ多数派かも)
パラダイスは
- エビアン:軟水か水道水=1:1で、茶葉は170mlにつきメジャー1杯(1リットル用ポットに茶葉6杯、500ml用ポットに茶葉3杯くらい)
- 抽出時間は24〜48時間で、冷蔵庫から出したてのヒンヤリした物を飲むのがベスト
ちなみに過去にも書いていますが、1リットル用のポットは上までキッチリ入れてちょうど1リットルになるので、実際にできる量は800〜850mlあたりになります。
500mlだと約400mlなので、20%減くらい。
で、厳密に測るのは面倒だと思いますが、500mlで作る際にエビアンの量が300mlだったり220mlだったりしたことがありますが、だいたい1:1であれば似たような味にはなりますので、適当にやってもOK。
まあ、適当にしてもエビアンは気持ち多め、くらいだと失敗しにくいかと。
ということでした。
しかし本当においしかったですね。
数量限定と書いてましたが、ずっと作りつづけてほしいなぁ…