old reliable tea

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ストレートティーについて考えるブログ

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窓辺で日光にさらして作る「サンティー」は冷蔵庫で作る水出し紅茶よりおいしいのか?

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今回登場するお茶
・リプトン イエローラベル
・ウィリアムソンティー ダッチェスグレイ

今回紹介するいれ方
・サンティー(日光に当てて作る常温の水出し紅茶)
・熱湯の紅茶を氷で冷やして作るアイスティー

 

 
水出し紅茶というと、冷蔵庫で作るものではなくティーバッグをつけて常温で数時間置くものがメジャーなようです。

 

その中で、日光にさらして作るまろやかな紅茶「サンティー」なるものがありまして、なんでもアイスティー発祥の地であるアメリカで発明された方法だそう。

 

そこそこ有名な方法なのか、調べると結構出てきます。

 

紹介している人によって多少の違いはあれど

 

  • 大きめの容器にティーバッグを放り込む(1リットルに4個とか)
  • 日当たりのいいところに3〜4時間、長いと半日放置
  • 氷を入れるか冷蔵庫に入れるかして冷やしたところを飲む

 

というのが基本だそう。

 

ここで気になるのが、カテキンや茶の殺菌成分は40℃で10分置けば、だいたい70℃で3分と同じくらい出ることが確認されているのは何度も述べている通りですが、やはり常温で置くのはどうなんだろう?と思うのが正直なところであります。

 

紫外線にも殺菌効果はありますし、カテキンの量もそこそこ…ということも言えますが、菌によっては30℃くらいの環境だと3時間くらいでも発症する可能性はあるそうですからねぇ。

 

怖い話です。

 

ということで、実際にサンティーなるものを作ってみました。

 

目的はズバリ

 

  • 安全性の比較的高い冷蔵庫の水出し紅茶よりもおいしいのか?(紅茶をいれる際の選択肢に入るのか)

 

です。

 

つまり、もしこのサンティー「食中毒になる可能性がそこそこある上にあんまりおいしくない」というのであれば採用しない、で事は済むと。

 

逆に「食中毒になりかねないサンティーが一番おいしい紅茶のいれ方」だったとしたらそれはエラいことなので、その辺をハッキリさせてみたい次第であります。

 

兼ねてから判明している

 

  • 常温の水出しは渋くなりやすい
  • そもそも、軟水や一般的な水道水のみで作る水出し紅茶はあんまりおいしくない

 

という点が壁になりますが、サンティーはそれを克服することができるのでしょうか?

 

今回(と言っても検証したのは2週間くらい前ですが)使った茶葉は「ウィリアムソンティー ダッチェスグレイ」と「リプトン イエローラベル」です。

 

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結論:味・作りやすさから見ても特にサンティーを作る利点はナシ

何となく経験から分かっていたことではありますが、特にサンティーの利点はありませんでした。

 

「日光に当てることで徐々に水温が上がりまろやかになる」という話がありましたが、特に常温の水出しとそこまでの差はなし。

 

水温も大して上がってはおらず、さらに渋みもそこそこ出ていたため数度の差で絶妙な味の変化が起こる、というのでもなさそう。

 

また、食中毒を嫌って4時間程度で揚げましたが、紅茶の特徴が薄い割には渋くなりました(数値上はそこそこアミノ酸は出ているはずなんですが)。

 

これも常温の水出しとおんなじ。

 

まあ、どのみち軟水のみの水出し紅茶は冷蔵庫で48時間置いても大して濃くはならないので、当然ながら4時間では短すぎてどうにもならない、という感じですかね。

 

ここで、別のやり方として、冷蔵庫で48時間の水出しよりちょっとグレードは落ちるもののなかなかおすすめなアイスティーの作り方に「少ない湯で抽出し、氷で薄める」というものがあります。

 

アイスティーを1リットル作るとしたら、600mlのお湯にティーバッグを4〜5個入れて2分くらい抽出し、氷や水を足して1リットルにするという方法ですね。

 

で、こちらの氷で薄めるアイスティーはサンティーに比べて

 

  • 圧倒的に短時間
  • 紅茶の特徴がよく抽出されている
  • (こっちの方がたくさん使うけど)氷を使うという手間も一緒

 

でありまして、完全な上位互換ともいえるやり方であります。

 

今回使った茶葉であるイエローラベルのうまさは沸騰直後の熱湯以外では特徴が出にくい茶葉なのでそのせいもあるかもしれませんが、いずれにせよ最初は熱湯の方がよさげ。

 

ここまではっきり優劣をつけるとウソくさいかもしれませんが、本当にこのくらいサンティーには利点がないんですな。

 

せいぜい、目に入ると友達や知り合いとの話のタネになるくらいでしょうか?

 

その上、味はいたって普通なのに食中毒になる可能性があるということも考えると…。

 

うーん…

 

おいしいアイスティーの作り方おさらい

ということで簡単にアイスティーの作り方をまとめておきますと

 

  • おいしい水出し紅茶エビアンと軟水か水道水を1:1の割合で入れて、茶葉の量は缶や箱の通り。抽出時間は冷蔵庫で24〜48時間

 

文句なしに最高の紅茶を作れる方法かと思います。

 

水出し紅茶は茶葉を少なめに入れるレシピが多いですが、熱湯と同じ量で大丈夫です。

 

リーフなら180〜200mlにメジャー1杯(かスプーンすりきり1)、2gのティーバッグならば150mlに1個といった具合ですね。

 

抽出時間も24時間と書いてますが、結構薄くなる可能性があるというか、私のいれる紅茶が濃いと言われることがままあるので少なめに書いております。

 

私は24時間だとちょっと薄い気がしますが、この辺は好みがありますゆえ…。

 

48時間でも飲めないくらい濃くはならないのでご安心ください。

 

 

 

次に

 

  • サッと作りたいアイスティー:作りたい紅茶ぶんのティーバッグを用意し、規定の半分くらいの湯量で抽出する。その後氷や水道水で薄める。抽出時間は箱の時間+30秒程度

 

これはリーフよりも片付けや茶葉の移動がラクティーバッグにおすすめな方法です。

 

前述の通り、1リットルほしければ500ml〜600mlで抽出し(湯が少ないと濃く出ないので、総量の半分くらいがおすすめ)、氷や水道水で調節する、ということですね。

 

ちゃん計量が面倒くさいとか、何でもいいから茶を飲みたい時なんかも非常に便利な方法であります。

 

水道水100%で作ることや沸騰直後の熱湯で作ることになるのでこのやり方がベストな茶葉は限られますが、逆に安いティーバッグみたいに水出しでも熱湯でもさほど味が変わらない紅茶を消費するのにもいいですね。

 

ちなみに、今回使ったダッチェスグレイも熱湯・水出し共にさほど味が変わらないというか、時間をかければおいしくなるわけではないことが分かったので、次からはこの方法でいれることになりそうです。

 

味自体はクセのないふつうのアールグレイといって差し支えない感じ(酸味のないカボスっぽいかなぁ)。

 

ということで、この2つがあればアイスティー作りにさほど困ることはないかと思われます。

 

最初はエビアンと水道水の水出しをやってみて、ダメだったら氷で薄めるやり方にシフトしてもらえればよろしいのではないかと。

 

まとめ&食中毒が気になる方は

 

  • サンティーは食中毒になる可能性もあるかもしれないが、そもそもの問題としておいしくない上に手間がかかるのでやる必要はない

 

とまあ、いつも通りの水出しでいいのではないかと。

 

これからの季節はアイスティーの需要も増えるかと思いますが、サンティーは安全性・味の両面から見ても採用する必要はない、ということでした。

 

当然、日光下でなくとも常温で放置する水出し紅茶も何が起こるか分からないので、ぜひ冷蔵庫でどうぞ。

 

最近は比較的涼しいので真夏にやるともしかしたら何か変化があるかもしれませんが、やはり菌は増えやすいでしょうし、同じく氷を使うならばサッと作れるアイスティーのほうがいい感じがしますねー。

 

こちらも参考までに。

 

 

tanabu.hatenablog.com

 

tanabu.hatenablog.com

 

追記

 

おいしい水出し紅茶が作れる他の茶葉でもサンティーを検証してみました。

 

エローラベルとダッチェスグレイよりも水出しに適性のある茶葉でやるべきかも…と思ったもので。

 

2回目の検証に使った茶葉はフォション アップル」と「ロンネフェルト アッサム」で、どちらも(冷蔵庫であれば)ただ水につけておくだけで甘さを感じる素晴らしい紅茶です。

 

で、結果どうなったかといいますと、やはりアップルとアッサム両方であまり味がしない紅茶になってしまいました。

 

渋みがあるとそれを相殺するのに倍以上の甘みが必要という話がありますが(みなさんも経験済みでしょうか)、やはり3〜4時間程度置いただけだと紅茶のうまさや甘さよりも渋みが優ってしまうのでしょうかね…。

 

その後試しに15時間置いてみましたが結果は同じく。

 

なので、サンティーとか寝る前にペットボトルやポットに茶葉を突っ込んで常温の水出し紅茶にする場合は、「おいしいけど、やり方によっては渋みの濃く出る茶葉」よりも「どんないれ方をしても大体同じような味になる茶葉(安くて薄い茶葉とか)」がいいかもしれません。

 

つまり、サンティー、そして軟水100%の水出し紅茶はやはりおいしさを求めたいれ方ではない、という認識がよろしいかと。