人生を変える紅茶に出会うための3つのシンプルルール
うまくいくためにはシンプルルールが大事!という本を見つけました。
その中で「ルールを複雑にするとかえってダメになる」という話がなるほどなーという感じだったので、紅茶でもちょっとやってみようかなと。
確かにデカい冊子なんかを渡されても読まないですもんね。
ルールって「基本はこうだが、こういう場合は〇〇。しかしこういうこともあるので…」みたいなのではなくて「損しないかどうか」とか「(かなり乱暴に言うと)科学の発展になるかどうか」みたいに、ここまでシンプルにしていいのか!というほどで驚かされました。
紅茶をおいしくする3つのルール「容器」「水」「温度」
ということで今回考えたルールは3つです。
これだけ覚えておいてもらえれば、あとは「薄めが好き」みたいな個人の好みレベルの微調整だけでOKです。
1.ティーポットを使うこと
まずはこれです。
後述しますが、基本的に沸騰直後の熱湯は使うべきではなく、温度を一定に保つのが重要というのが理由であります。
紅茶の抽出は
- 80℃を超えると渋みがたくさん出る
- 70℃くらいがいろんな成分がバランスよく出るっぽい
等を踏まえて75℃程度にしてもらうといいんですが、マグカップや紙コップだとその温度にするのも、維持するのも難しいのが参ったところ。
沸騰直後や沸騰後に10分置いた熱湯を使った方がおいしい紅茶もいくらかありますが、基本的に温度変化の起きやすいマグカップなんかで淹れると、微妙な味になってしまいます。
リーフで淹れるのが難しいのでマグカップを使う際はティーバッグになると思いますが、ゴミも増えますし、おいしさを第一に考えるならやはりティーポットにリーフが良いかと。
ちなみに、私個人としては、午前中は基本的に断食をしていて、飲む際もコップ3杯以上は欲しいというのもあるので、紅茶をマグカップ1杯だけおいしく作る方法なんかは研究しておりません。
長めにつけておくといいかな?程度の認識です。
2.エビアンは軟水と混ぜて使う
これは熱湯、水出し両方に当てはまる話になります。
ここだけちょっと複雑になるのを許してほしいんですが、基本は熱湯の場合はエビアン:軟水=3:7とするのがおすすめ。
なぜエビアンを入れるかというと
- ほどよくお湯の温度が下がる(苦渋味は80℃を超えるとガッツリ出る)から
- 適度なミネラルはカテキン等を苦渋味の少ない塩に変えてくれるから
というのが理由です。
簡単に言えば、お湯の温度をちょっと下げてカテキンとカフェインの抽出を抑え、その出てきたカテキンさえもなるべく無害な(苦くない)物質に変えてしまおう、ということですね。
ちなみに、エビアンを300ml注いでから茶葉を入れその後熱湯を注ぐので、あらかじめエビアンと軟水を混ぜた物を沸騰させるわけではありませんのでご注意を。
このお湯は温度としてはだいたい72℃〜78℃くらいで抽出することになりますかね。
一方で、水出し紅茶にする場合はエビアンと軟水を1:1にします。
硬水100%の方がおいしい紅茶もいくらかあるんですが、今のところウィッタードのアールグレイくらいなので、それだけ気にしてもらえれば。
他に見つかったら紹介します。
で、大体の紅茶は硬水と軟水を同じ割合で入れて水出しにしてもらえれば、そんなに悪い味にはなりません。
軟水だけだと渋くなりやすく、また硬水だけだとほんのり甘みがあるけど全体的に薄い…という感じになることが結構あるので、買った紅茶はとりあえずエビアンで割ってから水出しにしてみる、というのがおすすめ。
いい茶であればおいしくなりますし、そうでなくても「飲めなくはない」程度の味になります。
3.変えるのは温度だけ
いれる際の量なんですが、基本的に缶や箱の裏の通りの分量で、温度だけを変えましょう。
今まで「裏に書いてある分量は多いから、250mlにティーメジャー1杯」と言っていたんですが、2のルールに則って淹れると特に熱湯は苦渋味が穏やかになるので、温度以外はそのままでいいかなと。
まあ、葉が細かい茶なんかもあることですし、基本は缶や箱に従ってもらって温度だけはちょっと変えるというのがおすすめです。
紅茶における味の変化は温度の影響がかなり大きいようです。
以上の3つでした。
どういうわけか、おいしくない作り方が普及してしまった紅茶さん
「コーヒーは沸騰した熱湯」「緑茶はちょっと冷ましたお湯」というのが皆さん共通の認識だと思いますが、それらはそんなに間違った淹れ方ではないです。
まあ、コーヒーでも「90℃と93℃は違う!」とか、玉露みたいに「50℃がうまい」というのはあると思いますが、一般的に浸透している方法っておいしく飲むためには割と正しいみたいなんですよ。
一方で「紅茶は沸騰直後の熱湯」というのがあまり正しくないのは科学的にも分かっています。
紅茶はカフェインがちょっと多めではあるものの、チャノキ自体のグレードによるので煎茶でもカフェインが紅茶より多いものもあるようなんですが、タンニンは平均して緑茶の約2倍含まれているそうです。
(タンニンもいろいろあるんですが、タンニンはカテキンと同義で扱われています)
カテキンの合成はテアニンが使われるそうで、(専門家じゃないので断定はできないですが)タンニンが多い=テアニンが少ないと言えるそう。
これだけであれば「そうなのね」で終わってたんですが、実際に飲んでみて渋いなぁ、と常日頃から感じていたので「やっぱりか…」といった感じですね。
(緑茶に関しての本の記述ではありますが)かつて緑茶が日本で栄えたときも、我々の祖先は「渋みをどうやったら避けられるか?」について考えていたようです。
つまり、紅茶の一般的な飲み方とおいしい飲み方が一致していないんじゃないか、と言えるわけですね。
そして、そこから導き出された紅茶における失敗というのは「茶葉の本質(=茶葉のおいしさ)に辿りつけなかったこと」なのではないかと。
今回はそれを明確にするためのルールなのであります。
例えばですが、(嫌いな人にはすいませんが)みなさんの友人が鶏皮の話をしていたとしますよ。
「この前初めて鶏皮食べたんだけど、あんまりおいしくなかった。野菜と一緒に茹でて食べたんだけど、普通の鶏肉の方がうまいよな」と知り合いに言われたら「いやいや、鶏皮は茹でるんじゃなくて焼いて食べるんだよ」って言いたくなりませんか?
こうしたほうがいいんでは?とか言いたくなりますよね。
それと同じです。
つまり皆さんは茹でた鶏皮を食べているんですよ。
「コーヒーは炭火で焼かれた胸肉」で「緑茶はオーブンでグリルされたもも肉」と、どれもちゃんとした調理法なのに「紅茶だけはどういうわけか茹でた鶏皮」なんですよ。
一生懸命いろんな産地の鶏肉を仕入れてきては、その鶏皮を茹でて食べているのです。
もったいないですよね。
まあ、たまには油が甘くて濃厚なうまみを持つ、焼かない方がおいしい鶏皮にも出会うかもしれませんが、肉質は良いはずなのでかなり高価でしょうね…
しかし、皆さんはそんな紅茶のポテンシャルを味わうことのできるルールを手に入れました。
鶏皮の正しい調理法を見つけることができました。
みんなの好きな香りがするのに紅茶がおいしくない理由は…
こんな話をすると「でも、マルコポーロとかアールグレイっておいしくないって話も結構あるよ?」みたいに言う人もいるかと思います。
でも考えてみてください。
皆さん、ヤクルトとかフルーツジュースの香り嫌いですか?
ケーキに乗ってるラズベリーとか嫌いですか?
お腹が緩くなるからヤクルトは飲みたくないという人もいるかとは思いますが、皆さん基本的に好きですよね?
グレープフルーツとかオレンジも買って食べる機会は少ないかもしれませんんが「剥いたから食べて」って言われたら喜んで食べませんか?
つまり、香りはすごくいいし、皆の好きな香りのついた紅茶は結構あるのに売れ行きが微妙なのって、多くの人がフレーバーティーという飲み物を楽しめていないんだと思うんですよ。
渋い・苦いせいで。
糖分もないのに甘さを感じるほどにフルーツの香りがする上に、おまけにカロリーゼロの飲み物って地味にすごくないですか?
人工甘味料とかも入ってないので食欲が暴走することもないですし、むしろ健康効果の宝庫ですらあります。
唯一の問題はやや値段が張ることですかね。
まあでもコンビニコーヒーとかとそんなに変わらないですよ。
100g2500円(かなり高め)の紅茶でも5〜6ℓくらいは作れるので、500mlあたり200〜250円くらいですが、コンビニコーヒーは大体150ml程度で100円です。
味は違うので単純には比べられませんが「紅茶は高くてコンビニコーヒーは安い」などとは言わないように。
まとめ
ということでまとめると
3つのルール
ということを踏まえまして
上記のルールに当てはまらない紅茶
- テイラーズオブハロゲイト ダージリン(90℃7〜10分がおいしい)
- リプトン イエローラベル(沸騰直後の熱湯で1分30秒がおいしい)
- ウィッタード アールグレイ(硬水100%がおいしい)
- セレクティー ケニア(硬水7に軟水3がおいしい)
これらを覚えておいてもらえればよろしいかと。
ぜひ今回紹介した3つのルールを参考に取り入れていただければと思います。
きっとおいしい紅茶がいれられるはずですよ。
まあ、g1200円以下とかの安い紅茶はタンニンやテアフラビン、カフェインを補給するための飲み物として今まで通り熱湯で淹れてもらって、たまには幸福感を得るためにいいお茶を飲んでもらう、というのがいいかもしれませんね。
いくらおいしいとはいえ、毎日飲み続けるとやはり飽きるかと思います。
いろいろと試してみてください。
試してもらえれば「紅茶は沸騰直後の熱湯で、というのはあまり正しくないんだな」というのは感じてもらえるはずです。
私はこれで本当に食事への見方が変わりました。
1日の糖分を減らすだけでも、脳の糖に対する執着(何か分からんけど甘い物が食べたい!お腹はいっぱいだけど食べたい!みたいな欲)が減るようですし、ソフトドリンクは満足感に対して糖分が多いので…
今思ってみれば、糖分や脂質を摂りすぎているといくらお茶を飲んでも結局不健康になる…というのは私も経験していることなので、お茶のおかげでソフトドリンクや甘い物をいたずらに摂取しなくなったことも大きいのかな、と感じています。
糖分のとりすぎというのはそれだけダメージの大きいことなんでしょうね…
恐ろしい話です。
週に何度かジュースを飲む日もありますが、それ以外の日を紅茶やおいしいフレーバーティーで過ごすようにしています。
1週間のうち「1日目と4日目はフレーバーティーで」「2日目、5日目、6日目は普通の紅茶で」「3日目、7日目は割と好きに飲んでいい」みたいな感じでも意外と形にはなるかと。
慣れてきたら「コーラってこんな味だったっけ?」とか「このオレンジジュース、甘いだけでうまみはそんなにないな。やめよう」みたいに冷静にセーブできるようになりました。
皆さんもおいしい紅茶・フレーバーティーを飲んでみると、何か発見があるかもしれませんよ。